あしたか

MAMAのあしたかのレビュー・感想・評価

MAMA(2013年製作の映画)
3.5
[あらすじ]
両親が殺されたその日、2人の幼い姉妹は森の奥に姿を消した。5年後、叔父のルーカスが娘たちを発見する。彼は、恋人アナベルとともに姉妹を引き取り共同生活を始めるが…


怖さ★★★☆☆
ストーリー★★★★☆
独特さ★★★☆☆

ギレルモ・デル・トロ製作というだけあって、妙にお洒落な空気感が漂っているし、ただのホラーに非ず。いっそデルトロが監督したバージョンを見たかった。

5年間2人きりだった筈の姉妹は、その間自分たちを育ててくれたという"ママ"なる謎の人物の存在を示唆する。彼女が作品の中心的存在となる。
こいつが何者かが徐々に語られることで物語も厚みを帯びていくという、中々にストーリー重視のホラー。

反面、ホラー演出はベタベタなものばかりであまり驚きがないのは残念。ただ、壁の染みは何が出てくるか想像してしまうところがあり不気味だった。
後半、ママがバリバリに姿を現すようになってからはもうある種のクリーチャーみたいになってしまってるのはご愛嬌だが、あの身体の滅茶苦茶な動きは不気味度120%で良い。名物の"ママダッシュ"は流石にビビった。

ママに人格が与えられることで彼女にもある程度感情移入する余地が生まれるため、お化けが単なる悪役になっていないのはデルトロらしい。まあそれでもほとんどのシーンはこっちをビビらせようとはするんだけど。

最後まで見ると単なるホラーではなく母娘の愛情の物語だったとわかる筈。更に、予定調和を崩すビタースイートなオチがこの作品の独自性を高めていると思う。
人によっては結構感動するかも。中々独特の味わいがある。

一風変わったホラーを見たい人に薦めたい。
あしたか

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