カルダモン

フリークス(怪物團/神の子ら)のカルダモンのレビュー・感想・評価

4.4
愛憎と美醜が合わせ鏡のように反転、屈折し、たった65分とは思えない三角関係が描かれる。作品内に封じ込められたフリークス達の眼が今でもこちらを見据えており、87年の時の経過を感じさせることはない。演技を超えて、文字通り持って生まれたカラダ全体が語りかけてくる。『フリークス』は〈物語〉と〈記録〉の二つの面が結合しており、切り離すことができない。

この映画を見て監督のトッド・ブラウニングがどういう人物なのかが気になった。アメリカ人の監督はどうやら裕福な家庭に育ったようだが、若い頃にサーカスに魅了されて以来、サーカス団と生活を共にしていたそうな。
フィルモグラフィを見渡すとタイトルだけでも興味を引かれるものが並んでいるので、特集上映の機会があれば是非とも足を運びたい。


Amazonプライムでは『怪物團』というタイトルで配信されており、最初は『フリークス』と同作品であることに気付かなかった。『怪物團』は日本初公開時のタイトル。