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フリークス(怪物團/神の子ら)の一のレビュー・感想・評価

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フリークスたちに「我々の仲間として認めてやろう!」と言われた作中のクレオパトラは激高するが、映画の外側には彼らの歓迎を喜ぶ人間が昔も今もこの先も確実に存在するのだろうと思うとしみじみしてしまった。ヘネンロッター『バスケットケース』やフーパー『ファンハウス 惨劇の館』を観ても、奇形に生まれついた人間についてまわる切実なセックスの問題に関してはいろいろ考えさせられるが、『フリークス』でも、小人を旦那にしたって性的に満たされないのは明らかだからクレオパトラは性悪脳筋男を必要とするのだし、やっぱりそれとこれとは切っても切り離せないんだろう(結合双生児のセックスに関してはファレリー兄弟の傑作『ふたりにクギづけ』で描かれている)。買ったまま放ってあったデイヴィッド・J・スカル著『モンスター・ショー』をそういえばと流し読みしてみたら、「後年『フリークス』は"繊細"で"哀感溢れる"作品として賞賛されるが、宣伝用の資料等に掲載されたブラウニングのものとされる発言からは、この作品が純然たるキワモノ映画であることしか伝わらない。」とか「フリークス自身、映画については複雑な思いを抱いていた。その後もトッド・ブラウニング監督に好感を持ち続けたのは、(略)二人だけだった。髭女のオルガ・ロドリックは、(略)この映画が「世界中のフリークスに対する侮辱」であると思い、映画に出たことを後悔していると述べた。」とか、ホッとする話が載っていてよかった。
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