よだりお

スティーブ・ジョブズのよだりおのレビュー・感想・評価

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)
4.0
学生時代ここで働いていた身として、そのDNAが脈々と受け継がれてきた端緒のようなものを見て感激した。この会社は良いところも悪いところも全てこの1人の男性の全身全霊の拘りからできている。「万人受け」を狙わずに、ニッチなファンを増やすことで結果として1番を獲ることに成功した唯一の会社だろう。スティーブの天才たる所以は僭越ながら「すべての能力が満点」であることだと思っているが、度々話題になるコミュニケーション能力の欠如というのを今回初めて具体的にイメージした。しかしやはり、技術力は勿論ながら、営業力や思い切り、信念を貫く力、いろいろな面で抜きん出ている。先見の明を持って優先度を決めた上で他のプロジェクトを中止してしまう経営判断なんかは彼にしかできないのではないかと思う。しかしそんな彼でも、必死に架電したりぼぅっと悩んだりと、人間臭い一面はあり、これを「天才」や「運の良さ」という言葉で装飾するのにはどうしても抵抗がある。つまるところ彼の凄さは彼の言葉に集約されているだろう。"those who are crazy enough to think that they can change the world are the ones who do.”