やんげき

アーリャマーン EPISODE I 帝国の勇者のやんげきのレビュー・感想・評価

5.0
ひさひざに観てしまったな、逆すばな名作を!!
驚くべき完成度だ!低過ぎる!!
スターウォーズが大好きなのか、あるいは大嫌いなのか。
本当にこれで満足しているのか?
結局何を撮りたかったのか?
私たちに投げかける疑問は、数多い。

冒頭スターウォーズ風のスタッフロールが入る。bgmはアーリャマーンのテーマだ。

その後セリフで導入までに至る経緯を説明するのだが、これがすごい!長過ぎる。
5分は説明に費やしている。
更に初めて聞く地名、組織、人名が7つは出てくる上に関係性も割と盛りだくさんという語りである。

映画の中で絶対やってはいけないことだが、そんな事はどうでもいい。
やっと動きのあるシーンが始まると思ったら、明らかにジェダイ服のおっさん(気合の入っていないスタローン似の中年)と老人が、二人ともが紫色のライトセイバーで闘っているではないか!

ライトセイバー音も完全にswをオマージュしている。
紫はサミュエルLジャクソンの要望で、マスタウィンド特製かと思っていたが、はるか海の彼方、インドではそんな事は知ったことではないらしい。

もちろんC3POオマージュのトボというのも出てくるが、本家と違って言葉は話せない。
マスコットキャラクタのR2D2がいないからトボが、C3POとR2D2二人分やっているのだ。
出来るわけないだろそんなの!とお思いだろうか?
クオリティーをうんと下げれば大抵の事は出来る!!
とこの映画は教えてくれる。

一応誤解のないように言っておくが、オマージュが露骨過ぎるという事を言いたいのではない。
唐突な情報と解決へのドラマの無さ、かと思えばセリフでも回想でも同じことを説明するくどさ、棒演技、意図不明のカメラワーク、戦闘シーンの圧倒的迫力のなさ。

どこをとっても決して、swファンはswと本作を比べたりはしないだろう。という事だ。

ところどころ、どうしてこんなシーンを頑張ってswに寄せたのか分からないところも多々ある。
元老院評議会に似せたシーンでは、上手くswに寄せられていたように思う。
だが、パルパティーンの格好のような老人が出てくるが、本作では主人公の師匠でありオビ=ワン的立ち位置だ。

なぜ、その格好をさせたのか。
この師匠は裏切るのか?いやそう見せかけていい奴なのか?
ここまで付き合うと、そんな事はもちろん考えない。
この映画に伏線という概念はない。と薄々気づいているからだ。
この服装に意味はない。と分かってきているからだ。
ああ、永遠に話していられる気がする。

私はこの映画をもう一度見なきゃいけない時はせめて3倍速で見せて欲しいが、この映画について語る事はこの先何十回もある気がしている。

「何か面白い映画ない?」という曖昧な質問を誰かにされたなら、私はまず「インドのアーリャマーンという映画があって」と話し始めるだろう。

これはそういう映画だ。
やんげき

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