EmiDebu

「また、必ず会おう」と誰もが言った。のEmiDebuのレビュー・感想・評価

4.0
電車の中吊りで見た本が仮面ライダー鎧武の主演、佐野岳で映画化されたということで観た。
電車の中吊りってだいたい興味沸かせるように広告打ってるから気になっていた。映画館で流れる予告もそうよね。
見栄っ張りな高校生の主人公は、東京に行ったと見栄を張り、クラスメイトに証拠を求められたので、大学の下見で博多に行くと嘘をつき親から金を借りて東京に行くんだけど、帰りの飛行機に乗れず、立ち往生する。
そこからかくかくしかじかで家を目指す、その道中で会った人達から多くを学ぶという重松清が書きそうな話だが原作はもちろん違う人。
重松清が書きそうと言ったのは如何にも青少年が読む道徳の教科書みたいなところがあるからなんだけど、結構大人たちの描写がリアルなんだよね。
自分がとある仕事で局長と車で愛媛に行った時、それとこの主人公が柳下さんという人物に出会いヒッチハイクで運転してもらってる時、自分が映画化されたんじゃないかというくらい同じだった。優しい世界ではなかったのだ。今まで学校やアルバイトというコミュニティでしか生活してなかった自分は、言わば守られた存在だった。みんなが優しくしてくれるのが前提だった。しかし愛媛の道中はそうではなかった。面倒こそ見てくれるがそれは無償ではない。優しくて厳しい人達、その時のことを思い出させた映画だった。
「若いうちの苦労は金払ってでもしろ」という言葉をそのままロードムービーにした感じ。パッとしないけどなかなか面白かった
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