B級怪獣エイガ

ハイスクール・ミュージカル2のB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

4.7
ハイスクールミュージカルの2作目にして頂点の夏休み編いや、シャーペイ編。

1作目からシャーペイは、よくそこらの映画にいる''嫌なやつ''とは一線を画した魅力的なキャラだったが今作ではそれが全面に出てて最高。
まず彼女の吹き替えが『フィニアスとファーブ』のキャンディスと同じ人で、【やかまし可愛い】感じが超合っている。と、思っているのも束の間、調べてみるとシャーペイ役のアシュリーティスデールこそオリジナルのキャンディスじゃないか。キャンディスの中身がこんな可愛い子だったなんて。
だからか、(カートゥーンの吹き替えをしているだけあって)ちょっと大袈裟な演技が彼女の魅力のひとつ。歩き方から喋り方、表情一発で『コイツは嫌な奴だ』と分かる。

2作目である今作は3作の中でも特にシャーペイのやってることは嫌な奴というか単純に【最低】。今作の名シーンの一つであるガブリエラが面と向かってシャーペイに『あなた最低よわかってる?』と涙ながらに言うシーンの言われたあとのシャーペイの表情が、そのやってるシャーペイ本人もその瞬間『最低だ。』とどこからで自覚したようででも自分のプライドがやめることを許さない、『ここで(最低な行為を)やめたら私は最低だったと認める事になる。』というなかなか引き返せないどうしようもない頑固な感じが出てて、共感出来るし何より可愛い。優しく可愛い天使であるヒロインのガブリエラがいるからこそさらに彼女の最低さが目立つ。だからこそこんな最低な手を使ってさえもどう見てもガブリエラには(トロイ争奪戦で)勝てないと見てるこっちがわかってるのでほっとけない雑魚臭がパなく可愛い。

またそれとは逆に今作のとにかく楽しそうなシャーペイがまた最っ高に可愛い。トロイと家族の食事、トロイとゴルフ、トロイにプレゼン。明らかにトロイが困惑して嫌がってるのにとにかくシャーペイが全力の笑顔で楽しそうなのがまじバカで小憎らしくて最高超可愛い。ど真ん中で邪魔なのに可愛い。そしてこのどうしようもない感じが最高潮に達するシャーペイがトロイの前で『Humuhumunukunukuapua'a』を歌い披露するこのシーン。歌のひょうきん具合とちゃらんぽらん感とシャーペイのどうしようもない可愛さが完璧にマッチしてて歌とシーン共に超好き。

と、上記だけでも今作のシャーペイは素晴らしいのだが、今作は三部作のうち1番シャーペイの成長が書かれているからひとつ頭抜けている。シャーペイを語る上でかかせないライアンという存在を今作ではあえて対立敵立場に置き、シャーペイからライアンを奪うことで浮き上がる二人の関係がまた愛おしい。ライアンがトロイに今回はお姉さんを頼むと言うシーン吐くほど胸ギュッとした。そしてラスト1人で佇むところ(ここの表情もほんと良い)に手が差し伸べられるシーンで全て救われ大ハッピーエンドを迎える。いい子ちゃんばかりのこの学校でシャーペイの存在がなければなしえないカタルシス。

心の底から絞り出された『初めて自分より〜』のシャーペイの台詞は名台詞だ。

そして『シャーペイのファビュラスアドベンチャー』というシャーペイのスピンオフの存在を知り僕は万年を笑みを浮かべた。