カザミ

ゼロ・グラビティのカザミのレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
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とても美しくて恐ろしくて静かな映画。とにかく、静かだった。宇宙空間で、余分な音が一切無いからこそ、呼吸音や通信のピー、ガーという音が強調されている。こちらまで息苦しくなっていくようだった。
物凄く面白い!!!!というわけではないけれど、始終ハラハラしっぱなしのぴんと張り詰めた緊張感が味わえる良い映画だった。
90分なので緊張感が途切れずにさっくり終わるのも中弛みしなくてすごくいい。
宇宙が舞台なので当たり前かもしれないが、景色が物凄く綺麗で、でもあまりに綺麗すぎて恐ろしかった。
生きているものが何もいない世界。目下に見える地球の美しさ。すべてのものがあんなに近く見えるのにひたすらに遠い。
中盤過ぎからのもがきが熱かった。語りかけの場面から物凄く泣いてしまった。どんな状況でも生きようともがくこと。そうして、時に大切なものと決別する強さが見られた気がする。
ラストの主人公のカットからのタイトルが出るところがすごく良かった。彼女は重力のもとに帰って来たのだと強く感じた。
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