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処女ゲバゲバのblacknessfallのレビュー・感想・評価

処女ゲバゲバ(1969年製作の映画)
1.8
若松孝二監督は自分の中で評価が難しいんだよな。現在形で話題になってるトピックを素早く題にとってセンセーショナルな映画作ってヒットさせる手法はすごいと思うし。
受け狙いだけじゃなく真摯に問題に対してメッセージを発信してる。ハッキリ言って好きな監督なんだけど、楽しめる作品とそうじゃないのが混在してるんだよな、、
そしてこれは後者。久々に見直してもツラかったな。

やくざ?の組織から足抜けしようとして駈け落ちしたカップルが追ってに捕まりだだっ広い荒野に拉致られる。
何故かデカイ十字架があり、女はパンツ1枚で磔けられる。
男は殺される前に何故か組織のボスの命令で女四人とセックスしろと命じられる。
男は一人目とのセックス中に女を絞殺、そして逃亡。全裸で荒野を走る。

ここまでがお話の前段でこの時点でもよくわからない感じなんだけど、ここからさらにシュールな展開と映像の嵐になる。

これが本当にわけがわからないんで非常に退屈なんだよな。わからなくてもおもしろいのもあるよ、リンチとかホドロフスキーの映画みたいに。
これもその線のシュールな映画だと思うんだけど、あの二人の映画みたいなわからないが魅入ってしまう映像や雰囲気、魔性がまったくないんだよな、、

まったく知識がないから感覚と自分のイメージだけで言うといかにも昭和の日本のアングラ感というかサブカルチックな貧乏臭さが鼻についてはうんざりしちゃうんだよね。
つげ義春のねじ式みたいな摩訶不思議なマンガ書きたいんだけどセンスがなくて単なる退屈なキワものマンガになっちゃったみたいな、なんとも残念な感じ。
これが評価されたのってわからないけど時代の空気にマッチしてたからなのかぁ?て何度も観ながら思いを巡らせそうになったよ笑

でも、唯一おもしろいなって思ったとこは磔にされた女。これ以後もストーリーの中にいてセリフも多いんだけど最後までずっと磔にされたままなんだよ、ここだけはシュールでおもしろいと今回は思った笑

この映画はディスってますが若松監督は日本を代表する映画監督の一人だと思ってます。
水のないプール、餌食、実録・連合赤軍あさま山荘への道程は傑作だと思ってます。
亡くなる直前に原発事故後の東電のひどい行状を映画化したいと言ってたのが忘れられない。きっと事故処理の闇を完全に暴きたてる戦慄モノの映画になってたと思う。
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