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哀しみのベラドンナのmareのレビュー・感想・評価

哀しみのベラドンナ(1973年製作の映画)
3.5
現実の表現として静止画にセリフが乗っかっていく絵本的演出、どぎつい色彩とエロが交錯する幻想、淫靡すぎる線の細いサイケデリックワールドが無限に広がる。ジャンヌと悪魔の絡みの止めどない欲望の描写、全てがどうでもいいと言わんばかりに崩れ去っていく秩序なき世界。同情してしまう悲劇的な生き様は脆いものから強大なものへ。力を持ってしまった時には既に歯止めは効かず、徐々に近づく終焉にも気付かず、美しく残酷な破滅が約束されてしまっている。ジャンヌの永遠の美しさは伝説となる。サブカル復権の現代にこそ注目を浴びてもいいような独自性溢れるドラッグアニメーション。
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