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パトリオット・デイのマングースOLのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.0
🖋あらすじ
2013年4月15日。「パトリオット・デイ」(愛国者の日)に開催されるボストンマラソンの最中に、爆弾テロ事件が発生する。会場の警備にあたっていたボストン市警察殺人課刑事のトミーは、爆発の直後から仲間と共に救護活動を行う。やがて、FBIの指揮で捜査が始まり、FBI特別捜査官のリックは事件をテロと断定。ボストン警察との合同捜査の末、監視カメラに映っていた「黒い帽子」と「白い帽子」の2人の男が容疑者として浮かび上がる──。

「 ボストンよ、強くあれ 」

🖋一言コメント
お恥ずかしながら全くこの事件のことを知らなかった。高校生時代は部活ばかりでろくにニュースも映画も観ていなかったので、クラス替えでゴタゴタしている間に起こっていたのかもしれない。ということで、迷ったが予備知識なしでこの映画を鑑賞した。

🖋感想&考察 ⚠️ネタバレ注意⚠️
見どころはリアルに再現された関係者たちの姿と、警察とFBIによる手に汗握る追跡、そして何と言っても力強く生きるボストン市民だろう。調べたところによると、マーク・ウォールバーグ演じる警察官は、ボストン警察の色々な人のエピソードを一纏めにしたような架空のキャラクターであったが、FBIのリックや他の上官などは実在していたというのだから凄い。映画などフィクションの世界では仲が悪いと言われているFBIと地元警察が協力して捜査をするところなど胸が熱くなる。個人的に印象に残ったのは、事件が起きてすぐの出来事の再現だ。悲鳴と瓦礫、もげた足が転がり、散り散りに病院に運ばれていくその様子が、本当にこんなことがあったのかと問いたくなるほど凄惨でリアル。途中でマーク・ウォールバーグが妻に気持ちを吐露する場面があるが、この演技が胸に響いて言葉では言い表せないほどだ。
序盤まで、自分たちは関係ないと思っていた人々が事件に巻き込まれ、繋がっていく作り方も上手い。いつ自分が当事者になるのか分からないのがテロだ。人質の男性の脱出シーンは、下手なホラーやサスペンス映画よりよっぽどスリルがあった。ラストの銃撃戦も、決してスタイリッシュなものではなくテンポも悪いが現実の世界ではきっとこうなるのだろう。銃で撃たれたら人間は死ぬ。映画を観すぎていて麻痺していたが、生死がかかっている人間が派手なアクションなど出来るはずがない。

「 この町を舐めるな! 」

決して希望を忘れない、ボストンの人々の強い精神力を描いた名作。