Yuki

パトリオット・デイのYukiのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
3.9
地上波放送していたので。

実話

ボストンマラソンで実際に起きたテロ事件

オープニングの映し方が秀逸
事件前の様子はいかに何気ない日常かを見事に切り取っている。
爆発後からのギャップ。流れる血、叫び声、怯えて逃げ惑う人々、事件現場と現場から離れた場所のギャップ、走り続けるランナー、なかなか来ない救急隊員、逼迫する現場、動かせない遺体。
この辺りのカメラワークや、防犯カメラ映像との切り替えが切迫感があり、よかった。

犯人側やマスコミ側はほとんど映さず、被害者側や捜査官側に振り切った前半。

中盤頃からは犯人サイドの様子も見えるが、心理描写や動機、周りの人との関係性などが見えなかった。犯人に同情の余地なしと言わんばかりのストーリー展開。あくまで警察に振り切った演出の仕方だった印象。

また、現場の様子の伝え方が良かった。遺体や血は例えプロの警察官でも耐えられない様子。心が痛む様子が鮮明にわかった。夜中にお風呂に入ろうとしても携帯が鳴れば駆けつけなければならない。事件が何より最優先の現場の様子もよくわかった。

現場に行く人が慣れてるとは限らないし、慣れてないからこそ、沸き起こる怒りが正義とか熱意とかになるのかもしれないと思った。

日本もオリンピックとか、大阪万博とか、大きな行事を迎えるから、こういう映画は広がってほしいな。見るだけで意識が変わると思う。

FBIのトップ役の俳優さんがかっこいいと思った。ベーコンさん

ただ、クライマックスが不発気味な気もした。実話だから仕方がないけど、何となく煮え切らないラストを迎えたのに、最後の英雄感。グレイトアメリカ感(?)
アルマゲドンのテーマが流れそうなクライマックス。勧善懲悪ハリウッドって感じがした。
Yuki

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