2013年4月15日、アメリカのボストンマラソンで実際に起きた爆破テロの話。
ボストンマラソン中に死者も出す凄惨な現場となり、あたりは騒然となる。
そこから、州と、捜査当局と、警察と、市民が、苦難の末に犯人を追い詰めていく。
冒頭からボストンマラソンに関係なさそうな人物も描かれているし、そうこうしてる間に意外と早いタイミングでそのテロが場面に来てしまう。
だから、いったいこの話はどうなっていくのか、ここからどう展開するのか、先の読めないハラハラ感があった。
実際の爆破テロは知っていたが、どういう経緯と結末だったかはあまり知らなかったので、余計に展開が気になってのめり込んだ。
テロに屈しない国、アメリカ。
政治的なクーデターや爆破テロに巻き込まれ、そこで米国の愛国心や献身性を試されるような米国民にとっての試練とそれを超えていく愛というテーマ性。
だから『ユナイテッド93』や『アルゴ』や『アメリカンスナイパー』などのような突然来る衝撃がスリリングで、絶対に屈しない強さも感じる。
ピーターバーグという監督、マークウォールバーグと作る作品が多い。その親和性の高さ。
こういう騒然とした軍事的で崩れ落ちていくような絶望感の中のパニックを描くのがとてもリアルであり、ドラマチック。
マークウォールバーグ、ケヴィンベーコン、ミシェルモナハン、JKシモンズなど、演技でも魅せる。
派手な爆破や銃撃戦もあれば、実際の映像を駆使したリアリティもあり、その前線で起きる惨劇と、みんなが事件の解決を望んで周知結集をしたりするアメリカらしい愛国心やドラマ性もある。
こんな事件が一般人がたくさんいるボストンマラソンを舞台に起きて、色んな紆余曲折を経て、この結末までに行き着くまでの多くの人の犠牲と愛国心と正義と愛の力。
その中を、半ば強引に逃げ惑って行く犯人側の動きと、犯人のことを認識して一刻も早く逮捕したい捜査当局側の、それぞれの視点でことの成り行きが観れる。
とてもわかりやすく、でも軽いわけでもない。
手軽だけど、軽率ではない、濃厚な作品。
テロリスト側もかなりしぶとくて、よくそこまで逃げれたなと思うほど。
パワー系の「事実は小説よりも奇なり」のパターン。