Matilda

パトリオット・デイのMatildaのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.8
Filmarks試写会にて。
バーニングオーシャンを観ることができなかったので今作は試写会が当たりとても嬉しかったです。

さて今回は記憶に新しいボストンマラソンのテロ事件を題材にした実話ものということで。もともと実話ものはとても好きなのでこれも好きになるとは思いましたが、その予想を遥かにこえてくる作品でした。

まず、退屈なシーンがない。常に緊迫感がありました。事件発生から犯人逮捕までの103時間、正確には事件前から描かれるのでもっとあるのですが、それが思い切りこの2時間ちょっとに凝縮されていて、とにかく濃い。

そして、キャスト陣の演技が素晴らしい。マークウォールバーグ、ケビンベーコン、ジョングッドマン、JKシモンズとなかなかの豪華キャストです。彼らは本当に素晴らしいです。メリッサブノワちゃんも結構メインで出てきます。

中国版タイトルでは「愛国者行動」となっているらしいこの作品。確かにTHEアメリカ映画といった印象は受けました。しかし、そう見えて実は人々の美しい心の繋がりを信じさせてくれる素晴らしい作品でもありました。

この事件によって、人々は色んなものを失いました。足を失った人、自分の大切な人を失った人。彼らはある日突然日常を奪われたのです。
しかしそんな彼らを救ったのはまぎれもなく彼ら自身でした。自らの愛の力によって彼らは前へ進んでいったのです。
ある若者の憎悪によって起こったその悲惨な事件。人々はその憎悪に対し、愛を武器にして、街全体でひとつになって闘った。その姿に心をうたれました。
当時私達がニュースでは知り得なかった真実が、この映画には描かれています。人情に訴えかけるだけではなく、捜査についても詳しく具体的に描かれていて驚きました。

私達はこの事件を忘れてはならないし、どんな理由があろうともテロは悪です。決して起こってはならない。
しかし、この事件によって、人々がひとつになったことも事実でしょう。こんな大変なときに人々は常に、自分の心配ではなく他人の心配を、他人を思いやる心を持っていました。誰だってどこかに必ず、美しい心を秘めているのです。その美しい心によって、人々は繋がっているのです。それをこの作品は伝えたかったのではないでしょうか。

とにかく素晴らしい作品。実際にこの痛ましい事件が起こったことによって、この作品ができたことを思うととても複雑な気分ではありますが、できるだけ多くの方に観ていただきたいです。

※最後に。この作品は負傷者の傷の様子などの描写がかなりあるのでそういったものが苦手な方にはおすすめできません。しかし素晴らしい作品には変わりないのでぜひ。公開前なので宣伝文みたいになってしまいましたが、私も公開後また時間があれば観に行きたいなと思っています。
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