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パトリオット・デイのしてぃぼのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.4
序盤の何気ない日常シーンが、後におのおのに降り掛かる悲劇とは対照的に描かれており、テロが奪ったものの大きさを思い知った。ノンフィクション映画ということもあり、説明調になりがちな所で緊張感の走る場面が矢継ぎ早に描かれ、ストーリーが進むにつれて引き込まれって行った。

イスラムの人々に対する偏見を持つアメリカ人に対して復讐を行う、という犯行動機がなんとも物悲しい。実際には事実であったものの、警察や市民がイスラムの犯行と断定し非難しているという場面が当たり前のように描かれている点が気に入らなかった。しかし、日本人が中国や韓国に対して一般的に持つ全体的なイメージの様なものだと考えると少し納得がいった。

ただこういうテロの際に一致団結できるアメリカ人に対してたくましくも思い、また同時に羨ましいとも感じた。国を愛する、犯罪に決して屈しないという心は純粋に素晴らしいと思う。平和な日本では、他人に対して不干渉であってもどうとでもなる。

ラストシーンはそんなアメリカの良い所を凝縮したようなシーン。客席のみんながみんな泣いていた。ノンフィクション映画はやっぱり良い。
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