ホイットモア大統領

パトリオット・デイのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.5
ピーター・バーグ名匠入りおめでとう!
『キングダム』の頃から応援を続けて早10年、『バトルシップ』は公開当時散々に言われたけど、大好きでいて良かった!

事件自体は当時のニュースで知っていたが、その裏でこんな壮絶なことになっているとは知らなかった上、爆破や銃撃シーンは戦争の最前線に投げ込まれたような衝撃で、平和ボケしている日本人脳を激しく揺さぶられた。
映像的には『ブラックホーク・ダウン』を初めて見た時のそれに近い感じ。

しかし、本作が他の実話系作品と違うのは、警察・市民・犯人の3視点を丁寧に、タイム・サスペンスで描いているところ。
事件が起きる前までは関係のなかった人物たちが、爆発後、次第に結ばれていく様や群像劇は、監督が『バーニング・オーシャン』で培った手腕によるところが大きいと思う。

それだけでなく、前述の『キングダム』『ローン・サバイバー』で描いた"宗教観の対立"、
『バトルシップ』で描いた"チームとしての結束"も本作に如実に活かされており、P.バーグ監督の集大成でもある作品だ!

中盤〜後半は、中国系移民の青年と犯人のやりとりや、銃撃戦、取調室での心理戦など、手に汗握る展開が多かったが、
それ以上に、ラストの本人インタビューを聞いた途端、世界に対する自身の了見の狭さを叩きつけられたようで、映画館の椅子から立てなくなかったし、背中も汗でびっちょりだった。

また、実話ベースにも関わらず、1本の映画としてのエンターテイメント性が高いのも評価ポイント。
加えて、J.K.シモンズ、ケヴィン・ベーコンのいぶし銀の演技も見られ、マーク・ウォールバーグも名言を連発する。
本当に色んな意味で凄まじい作品だった。