NEWおっさん

パトリオット・デイのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.5
「実録テロドキュメント。」

ピーター・バーグ×マーク・ウォールバーグコンビで送る実録シリーズ第3弾。2013年のボストンマラソン爆弾テロ事件の犯人逮捕までの102時間を描く。実際に起きた事件だが、主人公の刑事トミーはオリジナルキャラクターで、その他事件の関係者など色んな視点からも描くので群像劇っぽくもある。

序盤でこれからこの事件に関わる関係者をザラッと見せ、徐々に肉付けしていく手法。何気なかったキャラがあとあとキーポイントになったりする感じ。テロが起きるまではそこまで長くないが、爆発するまでの徐々に高まる緊張感は演出のせいもあってかドキドキもの。不謹慎な発言だが、この映画はテロが起きてからが本番でもある。

現場の阿鼻叫喚ぶりも再現していて痛々しい。犯人側の視点も随所に描写しているので、ヘイトを溜めるには十分な胸糞ぶりも見れる。特に警官を殺す時の生々しさがキツかった。エアガンで顔面何発も喰らってるから痛みを味わう時間も長かっただろうしなぁ。時々、実際の映像が流れたりするのも良いアクセント。

不満はほぼ無いが、何故テロを起こしたのか犯人供述も聞きたかったかも。理由は無いにしてもなんか宗教絡みっぽかったしそこの掘り下げがイマイチだったかな。まあでも丁寧な演出と緊張感たっぷりの展開で面白かった。傑作。