J四郎

パトリオット・デイのJ四郎のレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.1
記憶に新しいボストンマラソン爆弾テロ事件を描いた作品。
主演はマーク・ウォールバーグ、監督ピーター・バーグって、最近観た実話もの「バーニングオーシャン」と同じやな。
ウォルバーグは主役だが、それより事件に関わった人々の群像劇的な作品かな。ベテラン勢がいい味出してはる。

まず最初に当事者たちが毎日繰り返しているであろう何気ない日常生活が描かれている。その流れから運命のマラソンの日を迎える。
この映画も惨劇が起こる事が確定しているので、いつ爆発が起こるか?と緊迫感があり、不穏な空気が流れている。
この構造って考えてみれば「バーニングオーシャン」と同じ。

そして爆弾テロが起こるのだが、爆発後の様子が現場に居合わせたかのような生々しさ。そりゃこんなん生で見たらPTSDにもなるわな。
時間が経っても火の粉の舞う混乱っぷりが印象に残った。
そして命が助かった人々にも残酷な現実が待っている。

始めの方から謎の中国人が登場していて、コイツって話に関係あんのか?また中国市場向けのサービスかい?と思っていた。すると後で事件に巻き込まれ、この人の目線でストーリーが進行する部分がある。ここらへんスゴイ緊迫感がある。

ホンマにどうだったから分からんが、犯人たちは陰謀論者として描かれていた。もっとも世間知らずなヤツがあんな考えにハマるんだろうけど、ここは創作だったらちょっとチープかも知れんな。
一番気になったのはイスラムの女性を一側面からしか捉えてない描き方。ここに関しては首をかしげざるをえない。

犯人どもの逃走劇は思った以上にド派手だった。銃撃戦に爆弾も駆使しての大暴れ!コイツらなんちゅう戦闘力やねん。まるでGTAのプレイでも見てるようだったぜ。アクション面での主役は意外にもウォルバーグではなくこのテロ野郎共でした。
この辺は観客サービスだろうし見応えはあった。かなりやり過ぎ感はあったけどな!

それよりこの映画の伝えたい事はラスト。実際の当事者(本物)が登場して力強いメッセージを発する部分だろう。テロを代表するような悪に屈せず勝利するものとは?ただの米国万歳に終わらない人間賛歌がそこには感じられた。
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