ベルサイユ製麺

パトリオット・デイのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
3.5
マーク・ウォールバーグ大好きなピーター・バーグ監督。もうマークとじゃないと撮りたくないの。もし、『サウンド・オブ・ミュージック』のリメイクの話とか来たら…。俄然楽しみですね!

先ず市井の人々の生活を丁寧に描いたうえで、彼らが巻き込まれる災いが起こり、紆余曲折あって解決。感傷的に締めくくる。ピーター・バーグお得意の作劇スタイルです。職人芸!揶揄しているように聞こえるかもしれませんが、ホントに上手いのですよね。一見不必要に見える登場人物のバックボーンの描きこみも、あとあと根っこになって物語の太い幹を支えます。今作の場合は、事件発生から収束までの長いドラマを重厚に、飽きさせない構成で(不適切な言い方かもしれませんが→)楽しませます。
実際の事件の顛末をよく知らなかったので、後半のカージャック→銃撃戦の件などはワッショイワッショイ面白く膨らませ過ぎなのでは?なんて思いましたが、ちょっと調べてみると大筋では間違ってないみたいですね。本当に恐ろしい事件なのですが、映画のテイストはどこかスポーティ。もし同じ題材をキャスリン・ビグローが撮っていたら真反対の印象になりそうな気もします。
映画の出来の良さにも関わらず個人的にそこまで高く評価出来ないのは、国威発揚的なノリが不気味に思えてしまったから。犯人を未熟で愚かな人間と描き、事件解決にはまるでスポーツの地元チームの優勝でも祝するように勝鬨をあげるボストンの人々。これじゃあ堂々巡りだわ…。タイトルも、単に事件の日であった祝日の名前を冠した以上の意味を感じてしまいます。
ピーター・バーグ監督にはそろそろ純粋なエンターテイメント作品を撮ってもらいたいです。単純に、技術が勿体ない。マーク・ウォールバーグも、“善良な一市民がヒーローに!”みたいな白々しい役をやってるのは勿体ない。バカっぽい声出しながら大麻をプカプカやっててこそのマーク≒アメリカの大衆だよ!