あまね

グランド・イリュージョンのあまねのネタバレレビュー・内容・結末

グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

騙された…ホント、気持ちよく騙された!
最初から最後まで騙されっぱなし!万歳!楽しい!

腕利きのマジシャン4人「フォー・ホースメン」が、舞台の上で次々と《犯罪》を犯していく。
ド派手なショーで観客を魅せながら銀行を襲う姿は痛快。
観客の目の前に我が身を晒しながら、全員を欺いて煙に巻くマジシャンの舞台度胸とふてぶてしさが大好きなので、観ていてゾクゾクした。

大胆不敵な犯罪を犯した彼らを追うのは、FBIの捜査官とICPOの女刑事。そしてマジックの『種明かし』を生業とする元マジシャン。
警察は必死に彼らを追うけれど、見事にミスリードされて出し抜かれてしまう。これがまた綺麗に騙されてくれる笑。
一方、元マジシャンはそんな警察を嘲笑しながらも、自らの利益のためにフォー・ホースメンが行った驚くべきマジックの種明かしをしてくれる。
この《種明かし》が物語のワクワク感をさらに高めてくれた。
トリックだけを怒涛のように見せられると、映画だから何でもありだよなっていう気分になるけれど、適度に種明かしが入ることでマジックのワクワク感が損なわれない。うん、楽しい!すごい!そんな気持ちが循環する。

マジックが好きで、先が見えない展開が好きで、大胆不敵な連中が好きなら、絶対にお勧め。
筋が見えたように思えても、それこそがミスリードだったりするから。

ただ、ちょっと不満な点もある。
できれば純粋にマジック、トリックだけの話で作って欲しかった。
トリックそのものは基本的に現実的なもので、そこは一貫しているのだけれど……マジック=魔術と解釈した側面もチラチラ見せられたので、そこで少しだけ興が冷めた。この展開にファンタジーはなくてもいいかな。秘密結社とかね。

それからヒロインと主人公の恋愛モードも、ちょっと強引な気がした。
マジシャンに全方位から翻弄されて疾走するような映画だったので、二人があまり絆や恋心を深めてる感じがなかったから……
なので、ラストシーンはあまりしっくりきていない。
ただ、どこかフランス的なラストシーンだなと感じたので、ヒロインはフランス人だし、敢えて狙ったのかもしれないとも思っている。

最後にごちゃっと言ったけど、面白かったのは本当!
今すぐラスベガスに行って、マジックショーが観たくなった笑!
あまね

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