『グランド・イリュージョン』 2013. 米映画
邦訳すると “偉大なるマジック” 或いは “華麗なるトリック” と言おうか、
題名さながらの、映画でしか実現できないであろうマジックが
スーパー・イリュージョン・ショーとして展開される
筋書きと映像表現は見事というしかない。
わざわざマジックのネタを見抜く人物も登場させ、
我々に “種明かし” をするという手の込みよう。
ラスベガス、ニューオーリンズ、ニューヨークでのそれぞれ特有の見応えのある
“華麗なる” スーパー・ショーでこの映画は終了すると思いきや、
ラストのどんでん返し、
この映画としてのトリックが “タイトルに” 仕掛けてあったことを
スーパー・マジックのあまりの見応えに圧倒され、すっかり忘れていたのだ。
監督、キャスト、澱みのないストーリー展開といい
「トリック」 「謎解き」 映画の最高峰といえる作品。
その意味で新鮮味を感じさせる映画とも言える。
監督 : 『トランスポーター』のルイ・レテリエ。
キャスト :
* 4人のマジシャン「フォー・ホースマン」
・ リーダーのダニエル役 “ジェシー・アイゼンバーグ”
・ 催眠術師のメリット役 “ウディー・ハレルソン”
・ 紅一点のヘンリー役 “アイラ・フィッシャー”
・ 若手マジシャンのジャック役 “デイヴ・フランコ”
* FBIの特別捜査官のディラン役 “マーク・ラファロ”、 『刑事コロンボ』 に似てるか。
* マジックネタ明かし屋の老マジシャンのサディアス役 “モーガン・フリーマン”
* 「フォー・ホースメン」パトロンのアーサー役 “マイケル・ケイン”
* ICPOフランス人 “美人” 捜査官のアルマ役 “メラニー・ロラン” など
いづれも味のある演技をこなし独特の雰囲気を醸し出している。
『荒野の7人』の如く、
映画の冒頭に4人のマジシャン各々のお手並みを紹介するくだり
「おっ、これは始まるな!」と思わせる期待感を盛り上げる上手さ。
ラスベガスのショーの後、 “ネタ明かし屋”(モーガン・フリーマン)が自慢げに話していた二流マジシャンの話............、
実は、これが最後の大トリックの伏線になっていたとは.........。
「フォー・ホースマン」の義賊的振る舞いが、この映画に一層 “スマートさ” と “爽快感” を添えている。
満足のいく鑑賞ができた。 続編『見破られたトリック』も見るしかない。
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