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チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密のmassieのレビュー・感想・評価

4.3
「フロリダ・プロジェクト」のショーン・ベイカー監督の長編処女作。
素晴らしい映画だった。少なくともクソ邦題映画の中ではNo.1だと思う。

21歳のポルノ女優のジェーンが、85歳のメリッサからガレージセールでサーモスの水筒を買ったことから、2人(と、チワワ)の不思議な交流が始まる。

舞台は、アメリカの郊外、送電線の沢山ある町。広いのに人工的な閉塞感がある。
ショーン・ベイカーはその後の作品でも似たような風景を撮り続けている。アメリカ郊外の女性(あるいはトランスジェンダー)の貧困を描くには最適なのだろう。

ヒステリックなルームメイトの存在が、2人のあたたかな交流をいつ崩してしまうんだろう、と中盤からずっとひりひりとして、先を観るのが怖かった。やっとの思いで先を見たら、ぐっと悩まされた。まだ答えは出ていない。
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