wiggling

タイニー・ファニチャーのwigglingのレビュー・感想・評価

タイニー・ファニチャー(2010年製作の映画)
-
この世から男という生き物がいなくなれば、世界はずっと良くなるという確信がある。政治腐敗、戦争、経済格差、人種差別、世界で起きている悪しき事柄はべて男の仕業だもんね。
それは自分たちが愛する映画の世界も例外ではなく、長いあいだ女性が虐げられてきたことは周知の通り。映画で描かれる女性像は男にとってのファンタジーであり、女性は常に男のための道具だった。
生殖用の精子だけ残して、すべての男は自分含め焼き払ってしまえば良いと思う。いやマジで。

本作の監督であるレナ・ダナムのTVシリーズ『GIRLS/ガールズ』がブレイクしたのも、そんな男たちが描く女性像の嘘にみんながうんざりしていたから。
本作は『GIRLS/ガールズ』の前に作られた初監督作品。彼女の自伝的な内容で、主演までこなしている。かなりだらしない体型を見せられてうんざりするも、それも男の身勝手な見方であって。

未だ何者でもない女の子が、自分の半径数メートルの日常を描いたドラマの何が面白いんだ?なんの意味があるんだ?という問は、この世の害悪たる男の発想だ。
観れば自明ですこぶる面白いし、時代のリアルを描き出している。なにより、悩み多き少女たちを勇気付けるという点で社会的意義も大きい。

女性には本作を観ていただき、自分にも出来るのだということを確信して欲しい。そして表現の道を志していただきたい。
日本では山戸結希監督をはじめ、20代の女性映画作家が瑞々しい作品を次々と発表しています。ぜひ彼女たちに続いて欲しい。
男による評価なんて完全無視でいいし、なんなら道具として使い捨ててもらって結構。
これからの未来を創るのは女性なのだから。

今日、TAMA CINEMA FORUMで2度目の鑑賞と、その後に山戸結希監督のいつも通りのエモいトークを聞いたせいで、こんな文になってしまいました。分かりやすすぎるぜ自分!笑

大手配給の扱いじゃないので、特に地方では観るのが難しいかもしれません。
Gucchi's Free Schoolさんが精力的に動いて上映の機会を作ってくれてるので、情報をウォッチすることをおすすめします。
wiggling

wiggling