優しいアロエ

アルプスの優しいアロエのレビュー・感想・評価

アルプス(2011年製作の映画)
3.6
〈死んだ人間に成り代わって遺族の悲しみを埋めるサービス団体“Alps”〉

 他人の代替者を担うことによる遺族からの服従。組織からの服従。やはり本作も、ほかのランティモス作品よろしく、ある歪なルールに閉じ込められた無機質な人間が、死線間近で逞しい抵抗を遂げる悲喜劇であった。

 “カルミナ ブラーナ”を嫌がり、ポップミュージックで踊りたがっていたバレエ少女の役割があまりよくわからなかった。「故人代替業」というファンタジックな設定を我々の世界と結びつける、地に足ついた束縛のモチーフということだろうか。
優しいアロエ

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