豚肉丸

私たちの好きな八月の豚肉丸のレビュー・感想・評価

私たちの好きな八月(2008年製作の映画)
4.4
ポルトガルの田舎町を舞台に、思春期の少年少女がバンドを組むお話

ドキュメンタリーとフィクションの二部構造になっている独特な構成の映画。主に前半がドキュメンタリー、後半がフィクションという感じに分けられる。
前半のドキュメンタリー部分では、フィクションパートの舞台にもなるポルトガルの田舎町を舞台に様々な人々の様子を撮影する。農業を営んでいる老夫婦、ラジオ局、自然の風景などを映しているうちに、自然とフィクションパートに移行し始めるのが面白い。
ドキュメンタリーパートはドキュメンタリーらしく、フィクションパートは劇映画調なので見分けはハッキリ付く。が、ドキュメンタリーに自然とフィクションパートの要素が紛れ込み、徐々にフィクションが映画を支配し始めるのが面白かった。

フィクションパートは特に言うところも何も無い、よくある思春期の男女の恋愛模様を描いた物語。そこにバンド要素が入り込み、途中途中主人公たちのバンドのライブの映像をそのまま流すところはドキュメンタリーの名残が残っているような気がした。

正直言えば2時間半は結構長いし前半のドキュメンタリーは削れそうな部分が多くあった...が、その一方でドキュメンタリーパートで感じられた「田舎町の雰囲気の感覚」がそのまんまフィクションパートに適応するおかげで、雰囲気が居心地良かったのもまた事実。
長すぎるしダレる映画ではあるものの、この田舎町の空気感に浸るためには確かに必要な2時間半であった。面白い!
豚肉丸

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