ザキノヲ

大怪獣バランのザキノヲのレビュー・感想・評価

大怪獣バラン(1958年製作の映画)
5.0
久しぶりの白黒怪獣映画。
古い作品を観ているとモノクロにしかない魅力も確かにあるもんだなぁ…と思う。いずれ『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のモノクロ版も観たい。

この作品以降、なかなか活躍の機会に恵まれない地味怪獣バラン。
先輩のゴジラと比べると空を飛べる反面、口から火を吐いたりはできない。そのうえ小さい。劇中でも人を食うわけでなし(見えないところで食ってたかもしれないが・笑)、じたばた暴れる以上のことはしていなかったりする。パッと見カッコいいけどそれ以外に取り立てて特徴のない怪獣なんだよね…いやいや!後輩たちが派手すぎるんだよ!!でっかい蛾とか、首が三本ある宇宙怪獣とか!そこに直れ!背中に並んだゴムホース製のツノを見ろ!!

…てなわけでワタクシザキノヲ、今後のバランの復活心待にしております(笑)。
『怪獣総進撃』みたいな飛び人形だけの鳴き声すらあったか微妙な出番じゃなくて!

ひっそりと東北の山村のそばの湖で暮らしていたら湖に薬を撒かれ、たまらず飛び出たら砲弾の雨あられ。湖に住めなくなってしまったので飛んで海に逃げたら今度はミサイルと機雷の雨あられ。しまいには爆弾を食わされて絶命してしまう婆羅陀魏山神様。哀れ。誰かウルトラマンコスモスを呼んできてくれ(笑)。
まぁでも神様なんで、人に飼い慣らされてまで生きたいとは思わないかもしれない。「姿を見た者は怒りに触れて殺される」なんて長老も言ってたしな。

バランが人前に姿を現すと風が荒れる描写がある。別に風を操っているわけではないんだろうけど、神様っぽくていいじゃない。
学名はバラノポーダ。特に放射能の影響は受けていない純粋な古代生物の生き残り。婆羅陀魏様って聞くと神秘的だけど正体はやっぱり地味だなぁ…(笑)。

なによりもこいつが哀れなのはその後ゴジラと共演したラドンにBGMがそっくりパクられること。今回初めて全編通して鑑賞したが、タイトルバックで流れるメインテーマ以外にもどこかで聴いたことある劇中BGMがやたら多い(笑)。本人はその後ほとんど出てきてないのになぁ…。

観てみて気がついたが、意外なほど『ゴジラ(1954)』からの映像流用が多い。まんまゴジラの尻尾が映ったときは目を疑った。『ゴジラの逆襲』以降ゴジラ映画はみんなカラーなので流用の機会は限られている。ある意味貴重かも(笑)。

初登場から60年ほど。東洋の神秘から怪獣界の神秘になってしまいつつあるバラン。レジェンダリーピクチャーズは彼を拾ってくれるだろうか…ハリウッドのゴジラシリーズに期待!!