東京キネマ

ザ・インベーダーの東京キネマのレビュー・感想・評価

ザ・インベーダー(2011年製作の映画)
2.5
結構単純な話ではありますが、とても楽しめました。

最大の勝利はこの映画の色彩設計ですかね。 真っ黒い男と、真っ白い女が重なるだけで、絶対見ちゃいけないものを偶然見てしまったような、それも人間としてあってはいけない行為を目撃したような、そんなインモラルな印象を与えます。 これは理屈じゃないんだよね。 感覚的に突き刺さってくるもんだから、良いも悪いもありません。

ただ、良く分からないことがあって、一つはマダムがこの黒人が不動産業をやってるなんて本当に信じたのかしら。 ホームレスだよ。 着たきり雀で臭うだろうし、風体見ただけで解りそうなもんだけどなあ・・・。 それとこの黒人の不法移民はアフリカから出てきて、待遇の良い仕事もあって、恋人だって作れる、なんてことを本当に夢見るほどに青かったのか。

これ二つともそうだとすると、相当つまらない話になっちゃうね。 このお話はアレンジの仕方で幾らでも社会的な素材になったとは思うんだけど、それを敢えてそういったニュアンスを消して、日常のドラマにしているところが良かったんだけどね。 ただの現実的社会情勢の脊髄反射的コントだったら、ちょっと頂けませんね・・・。
東京キネマ

東京キネマ