ハンナ・アーレントの作品情報・感想・評価

「ハンナ・アーレント」に投稿された感想・評価

Ryoko

Ryokoの感想・評価

4.6
6/28/2016
fujiK

fujiKの感想・評価

-
🎦✒️📑
てすた

てすたの感想・評価

3.6
悪について思考し続けるストイックさ。
あい

あいの感想・評価

5.0
とてもよかった。
考え続けることの尊さ。

100%違う人間なんていないんだ。
ヒトラーも、アイヒマンも、
全く関係ない、
なる可能性なんてない、
って否定するのではなくて、
自分だったら、って
考え続けたい。
彼女が自分の主張を、愛する友人たちと訣別してでも曲げなかった様が、さながら預言者のようでもあった。
「悪の凡庸さ」について考えさせられる。
りほこ

りほこの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ミルグラム実験でも実証された"悪の凡庸"

たとえどんな混乱期であったとしても、
彼が"凡人"で"ただの役人"であったこと。
それを客観的に捉えた彼女は本当に賢い。
わたしが以前読んだ本で、マスメディアに属する(ソーシャルメディアから発信する人も含む)人は常にグレーのゾーンにいなければならないと記述してあった。取材した上でアウトサイダーとして書くことは不可能だし、当事者に憑依するのはメディアとしての客観性を欠く。だからこそ、グレーの立場にいなければいけない。

それを実現しようと努力した彼女は本当に強い。当時のドイツはヒトラー筆頭に"悪者"を社会の暗い点として排除しようとした。アイヒマンは"獣"だから檻に入れなければいけないと。ただ裁判でいう彼の意見は至極真っ当で、ただ上の命令に従っただけのよう。その行為に彼の心はない。
それまで被害者としての意識を持つユダヤ人と犠牲者を出してしまったと思うドイツ人、そして加害者であるヒトラーたちナチ党。この明確な関係図は各々個人の特性が生み出したものではなく、時代の流れや状況によって変わりうるものである。
被害者であるからこそ、加害者にもなりうる。そして犠牲者が生まれてしまう。

ただハンナのように自らが実際収容された経験を持ち、当事者であったにも関わらずアイヒマンを理解しよう試みたことは驚くべきプロフェッショナル魂だと感じた。命令されたアイヒマンに思考はなく、思考がないからモラルもなくなる。だから歴史的残虐な出来事が起こりうる。
哲学と個人の感情は全く別のものである。これから上記のようにアイヒマンを理解しようと歩み寄った上で、彼女は提言する。
理解することと許すことは違う。取材相手を理解することはメディアとしての責任がある。
どんな混乱期でも、人の思考を保つのに必要なのは知識ではなく、善悪・美醜を見分ける力。
"夜と霧"のように当事者からの目線、
アイヒマンの肉声、
実際に収容された人々の語り、
全てが歴史上の事実。そのどの部分を切り取り、伝え、世間に提起するかすごく難しい。誰も信用できない世間という前提で、どこかの人類学者が言うようにまず自分ができるだけ自分の問題を解決することが他の人の幸福に繋がるといい。
nao

naoの感想・評価

4.0
とことん悪というものを考え抜いて結論を出したユダヤ人哲学者ハンナアーレント。
本人も周囲からパッシング受けるっていうのは分かっているだろうに、それでも事実と自分の考えをきちんと主張できる意志の強さはホントすごいなぁと。
確かに凡庸な悪ってホント怖い。気付かぬうちに悪が蔓延るって事ありますもんね(・・;)
それにしても周囲の人達の、情に支配され、観念が固定化してしまった人達の誹謗中傷は客観的に見てると恐ろしい。これもまた、ある意味思考が停止してるってことだし。

学べる映画でした^^
イリエ

イリエの感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

アーレントを聞いたことある人なら、肩すかしをくいます。知らない人は、社会学特有の、もやっと感が残るのでは。ナチスの戦犯をレポートしたユダヤ人の学者が、ナチス寄りのものを書いたと誤解され、世界中からバッシングを受けたという内容。彼女は、ナチスの悪は、平凡な人が法の範囲で実務的に行ったことである、と主張。ユダヤ人の当時の状況を考えれば、そんな書き方をすればバッシングは当然なのに、カット。アーレント目線のみで進行、孤立してゆく。と思いきや、夫は支えてくれるし、秘書は有能だし、弁の立つ友人もいるし、学生からは拍手喝采をうける。夫の病気など、リアルに彼女の半生を描くかと思いきや、悪の人物や善の人物といった戯画キャラが登場。ハイデガーとの恋も、中途半端。アーレントの悪の凡庸さに対する思考の過程を知りたいのに、煙草を吸うだけ。アイヒマンもアーレントも知らない人への入口としてはいいかもしれないが、映画としてはいまいちです。
ただ仕事をこなしただけ。という主張。
普通の人が悪となり得る戦争の恐ろしさを感じた。また、1つの視点からしか物事を見れず、アーレントの言葉を理解しようとしない周りの人の様子にも考えさせられるものがあった。
思考性を他者に理解してもらうという行為がいかに難しいか哲学とはかくも深いものか考えさせられた。
淡々とした作品だからこそ考える余白があること、歴史的事実になぞらえることで邦画にはない感覚を得られたのも新鮮だった。
エンターテイメントより教養よりな作品。
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