あまのかぐや

新しき世界のあまのかぐやのレビュー・感想・評価

新しき世界(2013年製作の映画)
4.0
再投稿です。イイね押してくださった方、スミマセン



冒頭の生コン一気飲みで、心が折れてしまい長らく封印していました。まわりの映画好きと話していて、韓国映画のバイオレンスものが好きというと「え、じゃあ“新しき世界”みた?」と必ずその名が出るので、これは只者ではないぞ、という予感はしていました。

で、観た。

潜入捜査のお話ですよね。「インファナルアフェア」や「ディパーテッド」が大好きなので、やはり比べてしまうのですが、潜入までの経緯や(主人公の若手警官時代のエピソードとか)アンダーカバー生活6年の重さがちょっと伝わってこなかった気がします。兄貴分チョンチョンと舎弟イ・ジャソンが、どうして今のようになったか。年齢も近い二人、この上下関係がどうして出来上がったのか、よくわからないまま話は進む。
あと警察上司カン部長(チェ・ミンシク)の非情さもね。どこへ向かっているのか、よくわからん。話の間で、ジャソンがちょくちょく上司に呼び出されては発破をかけられ「もういやだ!解放してくれ」って落ち込むパターンがみられましたが、そんな無防備に何度も会ってて大丈夫なのかな?ってちょっと戸惑ってしまいました。

しかし、主演3人の、さすがの演技力に引き込まれます。特にこのミンシク先生、めちゃくちゃ渋い!まずそうに煙草吸う顔がたまらんんん。

そして兄貴分のチョン・チョン。ちゃらちゃらした風貌に飄々とした口ぶり、「ブラザー」と語りかけると、ドキドキしますね。狂気を孕んだ残虐さの紙一重な感じがとてもうまい。

などと、うがった見かたをしていたら、ラストシーン・・・。おお。


すべてはこのシーンのために敢えて説明をしなかったのか、とさえ思ってしまいました。物語中、ずっと重たく暗い表情だった主人公が見せるあの表情、あのシーンがあったことで、この作品の点数が跳ね上がりました。これが傑作と言われるゆえんか。なんと切ない男の友情ドラマか。

ちなみに綺麗な女性のキャラクターが二人だけ出てきますが、すごく悲惨極まりない役なのに印象が薄い。それほどに濃密な男の世界、男の映画なの。

バットや鉄パイプを使った撲殺やら、冒頭のコンクリなど、残虐シーンは二度とみたくないほど残虐に、これぞ韓国映画という容赦のなさ。そしてやはり血糊が独特。汗と脂と血が混ざった見た目の生々しさが恐ろしさに拍車をかけます。

(しかしあの狭いエレベーター内のシーンは劇中最高の見せ場ではないでしょうか!キャプテンアメリカでもあったけど!(笑))

追記、お約束の「リメイクするならこの俳優シリーズ」。組織内の跡目争いで敵対するイヤミなあいつ、ハリウッドリメイクならジョセフゴードン・レヴィットだな。日本リメイクならディーンフジオカ。