しゅんすけ

新しき世界のしゅんすけのレビュー・感想・評価

新しき世界(2013年製作の映画)
4.5
「新しき世界」

 Amazon Primeで配信が始まってたので、ぜひ未見の人に観てもらいたく。

 韓国映画のなかでも、かなり好きな映画です。
まず、冒頭からの「生コンごくごく」という拷問シーンから始まり(のちにLDHのアクション映画 HIGHandLOW FINAL MISSIONで岩ちゃんの拷問シーンに拝借されるぐらいに強烈な場面)、ニタリと笑う不気味なファン・ジョンミン演じるマフィアのナンバー3と、イ・ジョンジェ演じるナンバー6の真面目な顔つきが印象に残ります。そこから始まるこわいこわいマフィアの内部紛争の映画です。

僕は、ヤクザやマフィアを描いた映画のなかで、「アウトレイジ ビヨンド」がめちゃくちゃ好きで、暴力描写自体は1作目に比べて淡泊なのですが、どんどんテンポよく、ヤクザのパワーバランスが崩れていくさまが描かれていてめちゃくちゃ面白く感じました。「新しき世界」もそれに似た面白さがあると思います。

話としては、韓国で巨大な力をもつマフィアグループの会長が事故死。ナンバー2は年齢的に後継ぎが難しいということで、ナンバー3とナンバー4の2人による次期会長争いが勃発。警察は、これをチャンスとみなし、「新世界プロジェクト」と名付け、内部紛争でお互いが共倒れすることで、マフィアグループの弱体化を期待。実は、7年ほど潜入捜査し、いまや幹部クラスまで出世したイ・ジャソに内部紛争をうまいこと煽るよう指示します。しかし、イ・ジャソはチョンチョンとの間にともにヤクザビジネスをしてきた中で絆が生まれてしまい、葛藤に悩み、苦しんでいくという話。

主要なメンバーとしては、ファン・ジョンミン(貴乃花親方にそっくり)演じるマフィアのナンバー3のチョンチョン、イ・ジョンジェ演じる潜入捜査官でマフィアのナンバー6のイ・ジャソ、ともう1人マフィアのナンバー4でチョンチョンと対立する男3人がメインとなって動いていきます。(演じている俳優が元アリtoキリギリスの石井さんにそっくり)

そこそこバイオレンスなシーンはありますが、マフィアならではの指つめとか、「アシュラ」のような血まみれで目を覆いたくなるようなシーンは少ないです。ただ、バレるバレないサスペンスの盛り上げ方と、イ・ジョンジェのビビり演技が素晴らしいので、すごくひりひりとします。

マフィア映画なのに、めちゃくちゃスタイリッシュでかっこいい映画なので、万人におすすめできる韓国映画です。ぜひぜひ!