rage30

トランス・ワールドのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

トランス・ワールド(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

森の中で遭難してしまった、3人の男女の話。

出自の違う3人の男女が集まるというシチュエーション、色彩の抑えられた灰色がかったビジュアルも相まって、結構早い段階で「全員死者なのでは?」という予想を立てました。
この予想が当たっていたら、余りにもありきたりな話になってしまうので、そこを避けてくれただけでも、個人的には嬉しかったですね。笑

結局、3人が時代を超えて集まった血縁者である事が分かるわけですが、それぞれ異なる場所にいた事、違う年代にいた事が分かったりと、少しずつ謎を明かしていく展開には興味をそそられました。

最終的に3人の人生を狂わせた、曽祖父を死から救う事が目的になるものの、ただ救うだけでなく、何か曽祖父の過ちを正す…みたいな描写が欲しかったかな。
折角、曽祖父にドイツ兵という設定があるのなら、ユダヤ人を殺すのではなく、助ける事で一族の運命も変わる…という展開にした方が、よりカタルシスが生まれたかもしれません。

まぁ、「曽祖父が生き残っただけで、そんなに人生が好転するか?」と思うし、「世界線を変えた事で生まれない子孫もいるだろ…」とも思うんですけど、そこをツッコむのも野暮な話なんでしょうか。
全体的に粗さを感じるのは惜しいところですが、全員が血縁者というオチは意外性があったし、この1アイディアだけでも見る価値のある作品かなと思います。
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