アメリカンでノリの良い時代感ある、クエンティン・タランティーノの、パルプフィクションのオマージュから始まる、異次元世界サスペンス。
森の中に三名が迷い込み、舞台は基本的に森の中で繰り広げられるという、全体的に低予算、脚本演技設定勝負という、インディーズ映画らしい作品。
中盤辺りまで、不穏な空気は漂えど、特に大きな展開は見せないため、ややテンポの悪さを感じるかもしれないが、中盤辺りから、様々な伏線や謎が明らかになり、登場人物の三名はなんなのか、迷い込んだ異次元はどういう状況なのかというのが、徐々に徐々に膨らんでくる流れが実に面白くなってくる。
最悪のバッドエンド映画でも無ければ、ハッピーエンド映画でも無く、突き抜けた作品かといえば、そうでもないけれども、ビターでほろ苦い着地を見せてくれる映画でした。
とある謎が明らかになった時点で、謎が明らかになった眼鏡で、見返したり、これまでの展開を考えてみると、美術や装飾にそれらのポイントが何気なく散りばめられていて、実は見る人が見ればわかるという、細かい力の入れ所が、何気にとても凝っていて素晴らしい。