やすtea

アカシアの通る道のやすteaのレビュー・感想・評価

アカシアの通る道(2011年製作の映画)
3.2
長距離トラックで、材木を運ぶ運ちゃんが、上司から人を同乗させるよう頼まれていた。
蓋を開けると、赤ちゃん連れのシングルマザーがやってきて……。


という、ひたすらトラックで走り続けるお話。

劇中、音楽は全くなく、サウンドは彼ら2人の会話と、赤ちゃんの笑い声と泣き声、そして彼等を運ぶトラックのエンジン音が、次第に心地よくさせる。

無骨で人との関わりを一切持たずに時間という風が通りさる日々を過ごす主人公の運転手が、この2人との触れ合いにより、心境が少しずつ変わっていくという、まぁ、ありがち。

でも、この主人公を演じた役者がなかなか味があるのと(大草原の家パパのマイケル ランドンを無愛想にした感じ)、赤ちゃんが赤ちゃんらしい可愛さ(子役みたいに可愛くないのだけど、だからこそ、赤ちゃんのリアルさがある)で、乾いた中に潤いをもたらし、物語を引っ張る。

赤子とは、どうして心を溶かす力を持っているのだろうか。

面倒で、泣く事だけでしか、意思表示ができない生き物なのに、こちらの想像力を上まわり、こちらを無言で責める。

彼は生き方を責められたかのようだ。

しかし、理解できないのが、同乗した女性の態度。
なんか私には図々しく感じた。

私が、日本人だからかしら。

監督は離婚したばかりの時に、この作品を撮り、温かい作品になったと、自分が癒されたそうです。
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