“redacted 都合の悪い情報を削除すること”
ブライアン・デ・パルマ監督作品。
ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞作品。
イラク戦争で2006年に米兵が起こした14才の少女に対するレイプ虐殺事件、いわゆるマフムーディーヤ虐殺事件を題材にしたモキュメンタリー作品です。
内容はそれは陰惨なもので、訴えたい事やその現実、それは分かるんですけどもー、映画としてはあまり良い出来とは言えないかと。
ハンディカムや監視カメラ、ニュース映像、ネットの動画などを使用し構成する事でリアリティを出す狙いなのだろうが上手くいっているとは思えなかった。
逆に作り物感が強くなっているような。
モキュメンタリーを意識するあまり、ストーリー性が希薄になりカメラの前でどうでもいい会話が繰り返される悪循環になっている。緊迫感や苦悩などもあまり感じず…。
兵士に心情を吐露させようとする場面もややしつこくて、もう少しこちらに委ねてもいいのではないかと思いましたね。
恨みの連鎖、戦場での異常心理、レイプ事件、米国への告発、描きたい事が渋滞していて消化しきれていない印象を受けました。