Aika

昼顔のAikaのレビュー・感想・評価

昼顔(1967年製作の映画)
4.0
清楚で美しい若妻セヴリーヌは、優しい旦那さまと何不自由ない生活を送っている。
しかし心の中はマゾスティックな欲望が渦巻き、とうとう昼だけの娼婦「昼顔」となり二重生活を送ることに。

現実と幻想、そして妄想。境界線がなく曖昧模糊に溶けていく。
血の気を感じないフランス人形のようだったセヴリーヌは、抑圧され続けた欲望を解放することで、その硬質だった表情も変わり人間らしくなっていく。

娼婦になることは、夫には性的興奮を感じられない自分を改善しようという妻としての務めだったのか
それとも自分自身をすべてから解放するためだったのか。

鈴の音が鳴り馬車が走り去っていく。
それはどの世界の幕引きを意味していたのか。知っているのは清廉な娼婦セヴリーヌのみ。
Aika

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