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悪いやつらのkotchanのレビュー・感想・評価

悪いやつら(2012年製作の映画)
3.8
チェ・ミンシクとハ・ジョンウの共演ならば観なければならないだろうと謎の使命感に駆られて観たわけですけど、極道でもカタギでもない"ハンパ者"が裏社会でのし上がっていく成り上がりストーリーは、賄賂大国・韓国のコネ社会への皮肉にも思え、韓国映画らしいユーモアもあって存分に楽しませてもらえました(*´∇`*)

税関職員(公務員)時代のチェ・イクヒョン(チェ・ミンシク)が袖の下(賄賂)を受け取るとこなんか超スマートでお気に入り♪賄賂が日常的に横行しているのでしょうね。
横領した麻薬を極道に売り付けようと計画する中で極道の親分チェ・ヒョンべ(ハ・ジョンウ)と知り合うのだけど、イクヒョンとヒョンべがまさかの親戚。これが今作のミソでもあり、韓国特有の文化を端的に表しているのだと思います。
韓国では血縁関係を非常に大切にします。家族や親戚はもちろん、日本ならほぼ他人だろうと思うような遠戚でも"血の繋がり"は強く、身内の頼み事や困り事には協力を惜しまない慣習があるようです。
これを逆手に取って権力を持つ身内をフル活用し、
「世の中コネとカネが全て!」
を体現するかのようにコネと人脈だけでのし上がっていくのは面白い。
酒癖は悪いし喧嘩も弱いし器も小さいしすぐに調子にのるイクヒョンにはかなりイラつきますが、チェ・ミンシクの"ハンパ者"っぷりが素晴らしすぎてそれほど嫌いになれないんですよね〜
ボッコボコにされた時はちょっとスカッとしちゃいましたけど(自業自得だしね)

極道の親分チェ・ヒョンべは腕っぷしが強く冷酷な男ではありますが、大叔父であるイクヒョンには敬意を払い極道の仁義も弁えている人間性は魅力的。何よりも極道ルックスのハ・ジョンウがクールで渋くてカッコいい!男の色気ムンムンです(*´꒳`*)
他作品以上に大鶴義丹に似ているのがちょっとフクザツなのだけど、そんな事言ったら義丹ファンの方に失礼ですね。
ファンいるのかな?( *`ω´)ヤメロ

共演者も良いんすよね♫
イクヒョンを追い詰める検事役にクァク・ドウォン。『アシュラ』でも検事役でしたがあそこまでのインパクトはないものの、主要キャストの中では唯一正義が感じられるエリート検事をねっとりと演じています 笑。
イクヒョンの義弟役にマ・ドンソク。テコンドー7段の武道家の役ながら、それが全く役に立っていないのが悲しすぎのオモロすぎ。損な役回りですが滲み出る"人の良さ"はピカイチ。

僕的にはハ・ジョンウとファン・ジョンミンは双璧の鉄板俳優でして、世代別なら間違いなく人気・実力ともに韓国を代表するスターではないでしょうか。
ちなみにこの2人に加え、2016年『哭声 コクソン』で43歳にして映画初主演を果たしたクァク・ドウォンも、同年『新感染 ファイナル・エクスプレス』でブレイクしたマ・ドンソクも全員70年代生まれ。
60〜70年代生まれの俳優さんたちは今の僕のトレンドでもあり、彼らが勢いのある今の韓国映画界を牽引しているのだと思いますね。

2018年も注目していきま〜す(*´∀`)♪
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