ちろる

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界のちろるのレビュー・感想・評価

3.8
幼馴染はかけがえのない親友で、自由な思想を理解してくれる父親と、少し神経質母親。
世界が終わる恐怖に怯えながらも、なんとか楽しさを見つけてささやかに生きている。
かけがえのない親友が少しだけ距離を離れて、足並みが揃わなくなった時、、それほ一気に訪れる。
父が父ではなくなって、母も母ではなくなって、居場所があっと言う間に奪われて、やがて耐えられないほどの孤独が私の中から言葉を奪っていく。

ティーンエイジャーの女の子同士の環境の相違は大きく人生の足並みを崩してしまう。
これは特殊な事ではない。
どんなに二卵性の双子のようにわかり合っていても、性、思想、学業、進路であっという間に絆は崩壊してしまうのだ。
無邪気な少女が、だんだんと焦りと不安に苛まれていくというエル ファ二ングの表情の演技がとても印象的。
経験したことあるはずないのに、独特なカメラワークのおかげか彼女の苦しみがなぜか手を取るように伝わってきて引き込まれた。
取り返しのつかない状況に、なんとか折り合いをつけるしかない。
そんな展開が遣る瀬無くて、苦しいけど、映像のアンニュイさがとても好みで好きだった。
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