Tラモーン

男たちの挽歌 IIのTラモーンのレビュー・感想・評価

男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)
3.8
続けて行っちゃいましょう!香港ノワール名作シリーズ2作目!


前作のシンの組織との戦いで相棒のマーク(チョウ・ユンファ)を失い自身も服役中のホー(ティ・ロン)は、警察から紙幣偽造組織の疑いのあるロン(ディーン・セキ)の造船会社への潜入を依頼される。しかし、ロンの部下であるコー(クァン・サン)の裏切りにより、ロンは殺人の濡れ衣を着せられNYへの逃亡を余儀なくされる。しかしそこへもコーの追手は迫っていた。ギリギリのところで命拾いをしたロンを助けたのは亡きマークの双子の弟・ケン(チョウ・ユンファ)だった!


ちょっと待て!(cv.千鳥ノブ)
双子ってなんやねん、そんなんやり出したらもうなんでもアリやんか!チョウ・ユンファ出したいのはわかるけどそれはダメだって!U-NEXTの「見どころ」がまた正直に「前作で死んだマークの双子の弟としてユンファが再登場するご都合主義だが」ってハッキリ書いとる!ご都合主義って!

とまぁそんなことはわかりつつ観たものの、前作を圧倒的に上回る銃弾と爆薬と血糊と死体!面白い!正直ストーリーはかなり雑でご都合主義だけれどもそれを気にさせないアクションと男気溢れる胸熱シーンのおかげで満足度は結構高い。

前半はなんだかダラダラしてるし盛り上がりに欠けるんだけど、ケンが登場するあたりからようやく面白くなってくる。どう見てもマークなんだけど、一応身ひとつで渡米して成り上がったキャラらしく破天荒で楽天的キャラとしてケンを演じわけているらしい。地元マフィアに意地でもチャーハン食わすとこは笑った。
一旦廃人にまでなってしまったロンに喝を入れて始まる銃撃戦が凄い。ケンはマフィアじゃなかったはずなのに強すぎる。階段落ちながらの2丁拳銃カッコよすぎる。

"この世界は自分次第だ"

ケンに連れられてロンが香港に凱旋してからがやっとこさ本番。ホー、ケン、ロン+キットとキン社長の5人の偽札印刷所破壊作戦が始まってからは尻上がりに面白い。
キットは相変わらず不用意なガキだけど公衆電話のパートはやっぱり泣けてしまう。本当このシリーズは「こんなんやりたい!」っていう胸熱シーンだけをとりあえず先に考えて、そのシーンを詰め込みながら脚本書いてんじゃねぇかと思う。

ラストシーン、弔いからの銃火器詰パンッパンのバッグ持ってコーの屋敷に踏み込み、ひたすら血飛沫と爆発のガンアクションは壮絶。ケンがマークが絶命していたときに着ていた穴だらけのコートを着込んだところは泣かせてくるのに、穴のひとつひとつに手榴弾ひっかけるとこは笑っていいのか泣かしにきてるのかどっちやねん。そしてダイナマイトで吹っ飛ぶところはガチだったんじゃないかと笑えるほど。
ホーは途中から日本刀使い始めちゃうし、ケンは敵の鼠先輩みたいなやつと荒野のガンマン始めちゃうし本当ジョン・ウーは中学生なんか(褒めてる)。アジア映画でここまでド派手にやってくれてたんだな〜バブリ〜。いいもの観た。

達観すると笑えてしまうものの、観ている最中はやっぱりこのハードボイルドな世界観にちゃんと浸らせてくれるから、やり過ぎはキチンとやり過ぎることが大切なんだな。

"善人でいることは何故こんなに難しい?"

"悪人が報われるとでも思ったか?"
Tラモーン

Tラモーン