ホイットモア大統領

男たちの挽歌 IIのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)
4.9
挽歌見まくってたら、やっぱりⅡも見たくなったのでU-NEXT無料トライアルに加盟しての鑑賞。

初見は高校生の時。
1作目が好き過ぎて期待値爆上げだったせいか、前作の完璧なラストからの本作の(特に後半以降の)展開が受け止めきれず、繰り返し見ることはなかった…

しかし時は流れ、香港経験値を高めてから見る本作は、間違いなく1作目と肩を並べる傑作断言できる!!!

恐らくこれにはティ・ロン兄貴の好き度が増してたことが大きいと思うのだが、もしデロリアンがあるなら過去に戻って自分に言いたい。「ティ・ロンを信じよ。」と…。

ショウブラのカンフー・スターと知った後に見るクライマックスのソード・アクションは感涙もので、それを脈絡なくとも “カッコいい映像” として取り入れる、監督ジョン・ウーの懐の深さにさらに涙する。

ストーリーに関しても、チョウ・ユンファが双子の弟設定のケンとして出てくること自体ヤバいので(恐らく戦犯はツイ・ハーク笑)、よく考えたら雑さなんて大した問題ではなかった…!
むしろ、NYの炒飯ぶっかけシーンはもちろん、兄貴のジャケットを羽織るシーンを見たら「双子設定で良かった…!」て思うでしょ!!!

そして、上記2人にレスリー・チャン演じるキットを加えた黄金トライアングル(+キン社長)が前作からのメンバーだが、本作ではさらに1人の男が加わる。

…そう、ルンさんことディーン・セキである。
香港のおディーン様である。

何ならこの人が主人公じゃないかと思うぐらいの活躍で、前半の精神崩壊ルンさん、からの後半の覚醒ルンさんというギャップに全女子は卒倒するはず。
ケンに “お返し” するシーンでも、『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランド以外で、こんなにもオレンジが似合う男は見たことがないよ!!!

そもそも名前からして、中国語で “石天” と書いてディーン・セキと読むの、控えめに言ってカッコ良すぎだろ…
もっとも、“狄龍” と書くティ・ロン兄貴も大概だが。

ジョン・ウーの「前作以上のものを作ってみせるぜ!」という気概は五臓六腑に染み渡り、クライマックス、各々の弔いを胸に喪服でカチコミに向かう演出、塀越え、そして、文字通り “怒りの爆発” は、ケレン味も突き詰めれば真のかっこよさになることを教えてくれる。
まさに、男の教科書…いや、聖書だ。

そして、ただカッコいいだけではなく、キットとホー兄弟の再会、そのキットの電話ボックスで魅せる名演、おディーン様の精神崩壊等、緩急の付け方にも注目したい!
これがあるからこそ、その後に続くかっこよさが活きるわけで。

こうなりゃもし俺に子供ができて、双子ならマークとケン、兄弟ならホーとキットと名付けたい。いや、名付けるしかない!

てことで何回も見直したいし手元に置いときたいので、メーカーさん、日本公開版Blu-rayの再発お願いします!!

P.S.
俺が本作を見る1週間前にキン社長役のケネス・ツァンさんが亡くなっていた。
つまり、本作の鑑賞は必然であり、やほり俺の人生は『挽歌』に導かれているのだと悟った…願わくば死ぬまで俺を導いてくれ!!!