ブラウンソースハンバーグ師匠

ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズのブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

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保坂和志が「三島由紀夫はハナから風景を見ながら風景描写をしていない」みたいなことを何かで書いていて、それは小説『金閣寺』の構造に見られるように、実像を早々と内部に取り込み、それを媒介とした「美化された」心象風景で遊んでいるからだろう。←恐らく違うだろう。
この映画はその三島的風景が、現実を虚飾する空間表現と結びついていて、ビジュアルの前景化だけに留まらない説得力を帯びている。