スキピオ

42〜世界を変えた男〜のスキピオのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
4.0
"野球のボックス・スコアに人種や支持政党は書かれない、試合でどんな働きをしたかだけだ"

アメリカメジャーリーグ初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンの背番号にして唯一の全球団永久欠番、そうでない日本では助っ人外国人選手がみな付けたがる背番号、42。ということまで知ってたけど詳しく知らずに鑑賞。

第二次大戦終戦直後の、まだまだ「黒人差別」の根強い時代の彼の我慢と成功の物語。というとマジメな感じでかったるそうに聞こえるけど、ハリウッドの得意な「野球」が題材なだけあって、一つの才能あるルーキーのサクセスストーリーとしてや、野球の戦略性や駆け引き面での見応えもあってまったく飽きなかった。あと「バンクーバーの朝日」でも思ったけど、この「人種差別」というテーマと「ルールの前では平等」というのが基本の「スポーツ」は相反しているからこそ物語上の起伏もつけやすく、映画での相性が良いなと改めて。

そしてこの映画の肝は、「当時の差別の酷さ」だけではなく、(嫌味なく)「心ある白人」もいたということを描いている点。実話モノだけあって、相手球団から彼がくるならチームは来るなと宣告、相手監督が堂々と野次を飛ばし続ける、GMには「毎日」脅迫の手紙と、当時の差別もなかなかのエグさ。それでもやはり初の黒人選手を実現させた功労者にして影の主役のドジャースGMはじめ、必ず開明的で「心ある人」はいるというのはさすが自由の国アメリカ、懐が深いなと感心。

黒人差別モノ、野球モノとしても評判がいいだけあって観てよかった。エンドロール前のよくある「登場人物のその後」の一人にはおお!ってなった。