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42〜世界を変えた男〜のまるまるのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
3.9
1945年”勇気ある世代”が戦争から戻ってきた。
ナチスドイツは敗北し、三か月後日本が降伏。
野球の人気選手たちも復員してきた。
ミュージアル、ディマジオ、ウィリアムス。
国民の暮らしも元に戻った。
野球は民主主義の確かな証でありボックススコアはその象徴だ。
選手の肉体的特徴も宗派も支持政党も肌の色も記さない。
試合でどんな働きをしたかだけ。
アフリカ系米国人も戦場で勇敢に戦った。
だが、帰国した彼らを待つのは、人種差別、隔離政策、ジム・クロウ法だった。
野球選手を夢見る黒人はNYヤンキースではなく、全国を巡業して回る黒人だけのニグロ・リーグを目指した。
1946年、メジャーリーグには16球団あり、登録選手は400名いた。
400人は全て白人だった。
だが1947年の開幕日、その数は399人に減り、
皆と違う選手が一人いた。

そんな口上から始まる”42”
42は黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの背番号で、
その功績を称え、唯一人、メジャーリーグ全球団で永久欠番に指定されている。
現在メジャーリーグでは、ジャッキーロビンソンデーが制定され、その日は全選手が背番号42をつけてプレイ。
イチローも付けてプレイしてましたねー。
ジャッキーロビンソンは自由の国アメリカの象徴の一人。
黒人差別という堅牢な世間の常識に、言葉ではなく、そのプレイで風穴を開けた野球選手。
真実に基づく物語。


差別を受けるとういうことがどういう事なのか、その寸分でも肌身感覚で感じ取れる映画でした。

ヤジとブーイングが飛ぶ球場。
ジャッキーの支えは観客席にいる妻。
「ねぇ、こっちをみて。私を見るのよ」届かぬ祈り。
泣けた。

 やり返さない勇気を持つ選手になるのだ。
 人々は人種統合を嫌う。
 君を刺激しようとあらゆることをする。
 罵倒され、言い返せば奴らの思う壺だ。
 殴られ、やり返せば「ニグロが暴力をふるった」と
 「ニグロは劣る」と言われる。
 敵はあまりにも多い。
 奴らのレベルで戦ってはならん。
 優れたプレイをすることで敵をねじ伏せろ。
 君が戦いに勝つ方法は二つしかない。
 立派な紳士であり、偉大な選手だと示すことだ。
 右の頬を打たれたら、左の頬を出す勇気を持て。

厳しくも優しいハリソン・フォード。
ジャッキーの懊悩を横目で見てるうち、変わってくチームメイト。
観客席から、少しずつ飛んでくる賞賛の言葉。
ファンの子どもたち!

よかった!!



以下、映画とあまり関係ないけど、僕の脳内でオーバーラップしてしょうがなかった政治の話w
今の日本で、公然と差別を受けてる人間を二人知ってる。
安倍晋三総理と、麻生太郎副総理。
近年稀に見る有能な宰相でありながら、テレビ・新聞には蛇蝎のごとく嫌われてる。
報道も、まるでフェアじゃない。
カップラーメンの値段を知らないとか、
高級バーに通ってるとか、
そんな理由で失脚させられた総理が古今東西存在しただろうか。
麻生太郎、首相当時の言葉。
「悲観論は気分、楽観論は意思」
今でも時々蘇っては、何かと理由をつけてサボろうとする自分の戒めになってる。
僕は麻生さんのファンですw
世界情勢、特に日本近海が緊迫しているというのに、魑魅魍魎共がなりふり構わず、議席が少ないのに王のように振る舞い国会を空転させ続ける野党を擁護してる。
まさに関ケ原ですねー(^^)/
ただ、マスコミのあからさまに偏った報道には、多くの人達が気付いてるようで、今は時代の大きな転換期にいると思う。
この”42”の映画のように。
「もはや野球界は、見て見ぬ振りができないんだよ」
なす術もなく失脚させられた麻生退陣劇から9年。
ようやくここまで来た。
このバカバカしい、場違いな、ダラダラ長いだけで、確たる証拠もいっこうに出ない、争点が次々転がってく大仕掛けな断末魔が、ちゃんと史実として記される未来が来ますように。
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