さすらいの用心棒

ルームメイトのさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

ルームメイト(2013年製作の映画)
2.0
北川景子、深田恭子というW美女出演の多重人格もののサイコスリラー。

原作未読だけど、今邑彩の推理小説が原案ということで拝見。狂気をさらりと描きながら緻密なロジックを絡ませる作風が好みなんだけど、この映画には論理のロの字も見られんかった。
最後まで犯人の行動原理が不明すぎて、訳もなく人を殺しまくってるだけにしか見えないんだよなあ。他の登場人物もよくわからん理由で動いていて、ミスリードやどんでん返しも含め、脚本の詰めの甘さがこの映画を安っぽくしている。
監督・脚本の古澤健はかつて黒沢清監督に学び、ともに脚本を書いてきただけあって、美術や演出に至るまで黒沢ホラーの息吹が感じられるものの、あの不穏で美しい雰囲気には足元にも及ばない。『Another』『ReLIFE』とほかの監督作も見てきたけど、もうこの人の映画を見ることはないと思う。
深キョンは可愛いんだけど、北川景子の横に並ぶとやっぱり演技が・・・。