このレビューはネタバレを含みます
11/24/2019
1つの映画の中に、いろんな種類の孤独がつまっていた。孤独を映画でみせるのって色々な方法があると思うけど、すごく難しいと思う。孤独って寂しさや悲しさともまたちがうし。「寂しさ」の方がもっと他人の存在が色濃く出ている感じ。
最初は、海のような深い孤独だなと思ったけれど、徐々にざわざわしてきてどくどくしてきて、風が荒く吹いてとめられない波の音みたいに粗暴になってきて恐さを含むようになってきて、でも最後はとても静か。風がなくなってしまったかのように錯覚するくらい静か。
1日の中の孤独の移りかわりを秀悦に描いた作品だと思う。主人公の心のなかの音が波となって聞こえてくるようなそんな作品だった。始まりかたも、終わりかたも、ショットも美しかった。
ちなみに、わたしは主人公が最後死んだとは思わない。