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キッチン・ストーリーのろのレビュー・感想・評価

キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)
5.0

「’死は予定されてる’、そうだろ、イザック」
「そのとおりだよ」

台所での行動パターンを調べるスウェーデンの研究所から、ノルウェーに住むイザックのもとに調査員のフォルケが派遣される。

ようやく家に入れてもらえたと思ったら、部屋の電気をわざと消されたり、2階から覗き見されていたり。フォルケは被験者を変えたいと申し出るが・・・。

おでんのおいしい季節になってきたね。
お出汁の染みた大根、最高においしいよね。
トロトロになった牛筋もいいよね。
ちょっとしたこと、だけど心をほかほかに温めてくれて、嬉しくて思わず笑っちゃうようなこと。
そんな会話ができるって、実はめちゃくちゃ幸せなんだよなぁ。

珈琲を飲みながら話すのは、故郷のこと、電気のこと、刑務所のこと・・・
風邪を引いたフォルケの代わりに調査書を書いてみるイザック。
イザックの誕生日をケーキとバーボンでお祝いするフォルケ。
背の高い籐椅子で眠ってしまったフォルケにイザックはそっと毛布をかける。

水道管を握ると、喉の奥からラジオが聴こえる。
鼻から血を流す馬、スウェーデンに帰っていくフォルケ。
だけど誰も一人にならなかった。
おいしさも、凍える寒さも心細さも分かち合おう。
また一緒に過ごす時間を心待ちに、今日も電話のベルが鳴る。



( ..)φ

約5年間の投薬治療を終え、ようやく新生活を始めました。
その準備に忙しく、あっという間に過ぎていった10月。
真っ白だったスケジュール帳がじわじわ埋まり、環境の変化や生活のペースに戸惑う毎日。
体力的にも精神的にも慣れるまでにはまだまだ時間が掛かるんだと分かっていても、焦ったりプレッシャーを感じたりでなんだか忙しないです。

先日、市役所に行った日の朝6時のこと。
カーテンを開けると朝焼けに虹がかかっていて、母と一緒に、消えるまで見届けました。
どんなに不安でも緊張していても、ふっと和むような瞬間を心に留めておきたいですね。
ろ