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キッチン・ストーリーのsonozyのレビュー・感想・評価

キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)
4.2
ノルウェーのベント・ハーメル監督作。2003年。

1950年代初頭のスウェーデンとノルウェーが舞台。
主婦のキッチンでの行動観察から製品開発を進めるスウェーデンの家庭調査協会(HFI)。
主婦に次いで独身男性のキッチンでの行動(導線)観察調査を実施するため、スウェーデンとノルウェーの独身男性の家に調査員が派遣される。
調査員は日中はキッチンに背の高い椅子を設置しそこに座って、対象者の行動を記録し、夜はトレーラーの中で寝る。
調査員と対象者の会話や交流は禁止されている。期間はクリスマスまで。

雪のノルウェーで一人暮らしの初老の男イザックの元には、調査員フォルケがやってくるが、調査対象に応募した事を後悔したイザックは当初は調査に非協力的。
キッチンを使わず寝室でこっそり料理したり、天井裏に開けた穴から逆にフォルケを覗いたり、室内に洗濯物を干して調査しにくくしたり・・
時々イザックの友人グラントがコーヒーを飲みに来る以外は、淡々とした日々が続く。

ある日をきっかけに、フォルケはルールを破り、イザックとの会話を楽しむようになり、イザックの誕生日をケーキとバーボンで祝うなど、二人はグラントが嫉妬するほどに心を通わせていく。
しかし、上司に二人の交流がバレてしまい、フォルケはクビとなり、スウェーデンへトレーラーを戻すよう命令されるが・・・

お互い家族も恋人もいないイザックとフォルケの心の交流にほっこり、じんわりきます。
我々は「北欧」とくくってしまうスウェーデンとノルウェーですが、この二人や登場人物のやり取りから、この二国の微妙な関係が読み取れるのも面白いです。
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