キッチー

キッチン・ストーリーのキッチーのレビュー・感想・評価

キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)
3.8
1950年代にスウェーデンからフィンランドの独身男性のキッチンでの生活動線を調査するために派遣された調査員フォルケ(トーマス・ノーシュトローム)と被験者イザック(ヨアヒム・カルメイヤー、ノルウェーの演劇界の重鎮だそうです)の物語。

偉い先生が考えた調査方法に基づく調査なんですが、非人間的なやり方にまずビックリ。部屋の中に置いた高椅子の上から被験者の独身男性を観察するだけっていうもので、調査員が被験者と口を聞いても手助けをしてもいけない、厳しくコミュニケーションを禁じられています。調査員は家に横付けされたトレーラーハウスに寝泊まりするのですが、なんか不自然でした。

最初こそ忠実に職務を遂行するフォルケでしたが、調査に協力的でないイザックに対する対応に困ってしまいます。しかし、ある出来事をきっかけに、イザックとコミュニケーションをとってしまい、それからは急速に二人の距離がちかくなっていくことに。二人が徐々に仲良くなっていくところが、とてもいい感じでした。

その後、フォルケは上司にバレて、調査員をクビになり、スウェーデンまでトレーラーハウスを返しに行かなくてはならなくなりますが、その間にイザックの愛馬が亡くなり、更なる悲劇が重なり...
そして戻ってきたフォルケがとった行動は...

前半はちょっと退屈な展開なのですが、後半から、適度に笑いもあり、二人のキャラクターも良くて、なんかほっこりするような場面が多くて良かったです。イザックの友人のグラントが嫉妬するくらい仲良くなる二人、その後の意外な展開も面白いと思いました。

隣接する国ですが、この当時はクルマの通行もスウェーデンは左側通行、フィンランドは右側通行だったですね。国境を越えるシーンが出てくるところ象徴的でした。
ちなみに、スウェーデンは1967年から右側通行になったらしく、当初は混乱したようですね。

しかし、登場人物がほとんどおっちゃんだけ...
こういう映画も珍しかったです(笑)
キッチー

キッチー