たっツん

アリーケの詩(うた)/パライアのたっツんのレビュー・感想・評価

3.8
黒人レズビアンの女の子の不安と葛藤。

主人公だけでなく、漏れなくそれぞれが悩みや内に秘めた想いを抱えていて、その負のエネルギーがぶつかり合い、"失敗"や"崩壊"を生むんだね。
でもそれは別に悪いことじゃないんだよって話。

思春期ならではの家庭環境、人間関係のしがらみに、レズビアンというマイノリティであることが加わり精神的に窮屈な生活を強いられる主人公。
ただ今作ではほぼレズビアンしか出てこなかったのでマイノリティと言うのもおかしい気がする。
というかそもそもマイノリティって言うのはちょっと違うとも思うんだけど最早。まぁでもまだまだマイノリティなのかな。

人種差別という意味合いを絡めてはいないが、有色人種が物語の中心になっている。
黒人のレズビアンの作品はあんまり観たことないかも。
白人だと「アデル、ブルーは熱い色」「アンダー・ハー・マウス」などがあるけど。
黒人の同性愛者を扱った作品だと「ムーンライト」があるのか。
というか今作の字幕で分かったんだけど、レズビアンも"ゲイ"なのね。男性の同性愛者のことだけだと思ってた。

処女(初体験)の喪失から発生する失敗、後悔、悲劇。
今作はレズビアンがテーマだけど、これは異性間でもよくある例だよね。

別にこんなこと日本でも世界中どこでも起きてる事柄なんだけど、"黒人"の"レズビアン"という設定は興味深いよね。

そしてポスターが全くもって場違いな仕上がりになってるのはどうにかならなかったのか。
たっツん

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