villjobba

ヘヴィメタル・ミュージカルのvilljobbaのレビュー・感想・評価

2.9
「メタル_ミュージカル_映画」でググったらこれしか出てこなかった。

世の中に一つくらいはあるだろうと思って探したヘヴィメタル×ミュージカルのコンボ映画、一つだけあったよ!
一瞬でZ級映画だと判断できる素晴らしいタイトルとジャケット。
しかし、これは今まで観たクソ映画の中で飛びぬけておもしろい快作!

ストーリーはシンプル。
マッチョがとある女性に惚れたのでレイプ。
救出される女性。それを追うマッチョ。邪魔な相手はレンガで撲殺。
果たしてマッチョと女性の恋の行方や如何に!?

「は?」って思うよね。間違ったことは書いてないよ。まるでデスメタルの歌詞のようだ。
私には、アイドルソング以外に嫌いな音楽のジャンルというものは無く、メタルも大大大好物である。
(デスに近いジャンルの)メタルは基本的に、社会のマイノリティがカッコ良いリフと共に憎しみや戦争や死神や災害について歌っていると解釈してもさほど問題はないが、客観的に見ると非常にダサい場合が多い。メタルのダサい様子は、俗に「クサい」と表現される。
KorpiklaaniのWooden Pintsや、DragonforceのOperation Ground and Pound、RammsteinのDu riechst so gutなどのPVを見てもらえればその異様さが分かると思う。
元からダサさを売りにしている場合が多いので、映画内でダサくても全く問題ない(ストーリーそのものがダサくても許されるレベル)という点で、メタルミュージカルは得をしている。

当然ながらクソのようなストーリーとクソのような演技が、クソみたいに下手な歌唱力とクソな構成力とクソ画質で展開されていく。
一見してMr. Brick(人名)がbrick(レンガ)でbreak(破壊)しまくるbrick by brick(退屈)な映画なんだけど、あまりのダサさと歌and演出の下手さに、ミュージカルタイムになるたびに笑ってしまうのだ。歌詞もデスメタルのダサい部分だけ抽出した感じである。Love is MurderとかKill Kill Killとかそんなことばっかり言ってる。そういう意味でおもしろい。主人公の不死身っぷりも笑ってしまう。
そして散々低予算っぷりを繰り出してきたくせに、最後のアクションシーンは普通である。途中で全然眠くならないし、75分で終わるし、映画自体のレベルの低さに反して、総合的には「おもしろい」という結論に至った。
あと、おっぱいが出る。

なにより、この映画は「メタルミュージカル映画」の可能性を提示してくれた。上手い人が上手く作れば成功するよ。
マッドマックスみたいな世界観ならバッチリ合うと思うんだけどなぁ。
メタルとミュージカルの合体という組み合わせが映画120年の歴史の中で今まで作られてこなかったのは、作ってもつまらないからだと偉大な先人たちが判断したからである。そんな要らないはずのアイデアを実際に映画化して世に送り出したのだから、その実行力は心から賞賛すべきである。皮肉ではない。
今後すばらしいメタルミュージカル映画が出てきて本作のダメっぷりが相対的に目立ってきたとしても、我々はこの映画を批判することはできない。
この「ヘヴィメタル・ミュージカル」こそが、メタル×ミュージカルの始祖であり、パイオニアなのだから。