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甘い鞭のkoyamaxのレビュー・感想・評価

甘い鞭(2013年製作の映画)
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(鑑賞したのが、大分前になってしまいましたが、、、)

美人女医には、SM嬢であるという秘密の夜の顔があった。
さらには、彼女には、誰にも語る事の出来ない深い深いトラウマがあったのですが、、。


こんな事までしないと救われない魂もあるという話。

表層的な暴力と性描写に過剰なまでに振り切っていって、
90年代くらいまで積み重ねていた、メロドラマ的なラブストーリーとその中に宿る切なさ、石井隆の真骨頂であるその表現を次々と破壊していったのが不可解で仕方が無かった2000年代以降の作品群全体にもこのテーマが存在している気がします。

監督の興味がここに芽生えたと思えば、個人的には花と蛇以降の作品にも納得できるかもしれないとおもいました。


こうした創作モチーフの変化は、一緒に漫画制作をしていて、世界観の理解もあったと思われる奥様の不在が大きかったのではないかとおもいますが、どうなんでしょうか。


内容的なことでは、、
過去回想の件が、最初にきっちりと描かれていますが、
女医さん(檀蜜さん)の秘密が徐々に明かされていき、現在のSMクラブでの展開と深くリンクするような、展開であれば、なおベターだった気がしますが。(完成系もそうではないってわけでもないのですが、、)
順番に語っていくあたりも、やはり語り口を絞った90年代とはよくも悪くも違うという感じがします。。

あと、石井作品には大抵竹中直人が出ているので、どれがどの話だったか判らなくなります^^;
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